2012年5月20日日曜日

私の父 (面影 3)

私の父は、鞄職人です。

70を少し超えた父の職人歴は、
住み込みの修業時代にはじまり
半世紀を軽く上回ります。

私は父が自宅の仕事場で鞄を作るのを
当たり前に見ながら育ちました。
私が今、手仕事であるニット制作を手がけているのは
父の仕事を見てきたせいもあるのかもしれません。

その父が、年齢その他のさまざまな事情により
仕事を続けるか辞めるか、
続けられるか辞めざるをえないかの
分かれ道に立っています。

仕事一筋、生真面目に生きてきた父が
鞄を作らなくなる。
それはとても淋しいことのようであり、
しかしやり遂げたという意味で
双六の上がりのような
晴れ晴れとしたことのようにも思えます。

私が赤ちゃんの頃、
仕事をする父の傍らに無造作に転がされ
ひとり遊ぶ写真が残っています。
先日実家に行った際、
バブーもそばに転がして
写真を撮ってみました。

私は父が鞄を作っている光景が好きです。

いつかこの写真を
バブーとともに眺めたいと思っています。

2 件のコメント:

  1. 素敵な写真ですね(^-^)/
    お父様超恰好良いですね〜
    私たちの幼い頃はデジカメ、
    ビデオなど無いので写真は貴重ですよね。

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    1. デジカメに慣れた身には、
      フィルムカメラで一発勝負!の緊張感は
      尊敬に値しますわ。
      それにしても、同じ年生まれの主人の写真は
      カラーなのに、
      なぜ私のはモノクロなのか・・。

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